【書評】「スタンフォードの自分を変える教室」を読むと、誘惑や依存症や先延ばしに対抗する力を養える!

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【書評】「スタンフォードの自分を変える教室」を読むと、誘惑や依存症や先延ばしに対抗する力を養える!
親愛なるおむすびへ

やりたい事・やるべき事に意志力が必要な場合、私達はついラクな方へ流されてしまうものです。
「もっと意志力さえあれば夢に向かって邁進できるのに」そう思った事はありませんか?
著者のケニー・マクゴニガルは「意志力の講義」を本書にまとめました。
この本を読めば読む前よりも自分の意志力をコントロールしやすくなる事でしょう。

意志力でコントロールするには……。

現代人の脳には、思考、感情、行動のそれぞれをコントロールしようとする複数の自己がいます。意志力の問題は、いずれもそのような異なる自己のせめぎ合いです。  より高い次元の自己が力をもてるよう、私たちは自己認識と自己コントロールのシステムを強化する必要があります。そうすることによって、意志力や「望む力」が強まり、やるべきことをやれるようになるのです。

私達が意志力のコントロールに失敗する時、心身に宿る複数の自己が不協和に陥っています。
それを知らずに失敗を自分の性格のせいにしているといつまで経っても足踏みするだけです。
意志力のチャレンジに成功したければ心身を健やかに保つように尽力する必要があります。
それができて初めて意志力の限界を超えるチャレンジに取り組めます。

意志力は筋肉と同じで使わなければ衰えていきます。
それを防ぐためにも、一日の終りにその日の決断を振り返って分析すると良いでしょう。
そうする事で意志力は鍛えられていきます。

モラルライセンシング

モラル・ライセンシングのせいで、私たちは自分に害を及ぼすような行動(ダイエットをやめたり、浪費したり、禁煙を破ったりする) を「ごほうび」だと思い込みます。まったくどうかしていますが、私たちはまんまとそそのかされ、自分が「やりたいこと」を「すべきこと」だと信じてしまうのです。

モラル・ライセンシングはアイデンティティの危機をもたらします。
「ごほうび」の名の下に自分が望む正反対の行動を行ってしまうのが恐ろしい所です。
このワナを避けるには道徳上の問題と、単にする事が難しい事を区別するのが重要です。
また、行動に対して「なぜ」それをするのか、思い出すのも有効です。

報酬の予感

もしいくらかでも自制心を手にしたいと思うなら、人生に意義を与えてくれるようなほんとうの報酬と、分別をなくして依存症になってしまうようなまやかしの報酬とを、きちんと区別しなければなりません。そのような区別をできるようになることが、私たちにできる最善のことなのです。

ドーパミンという脳内物質は報酬が期待できると放出され快感をもたらします。
脳が報酬に期待するものと実際に経験するものとを一致させるように仕向けると
脳は期待の方を調整するようになります。
欲望自体に良し悪しはなく、欲望がどこに向かい、何をもたらすのかを見極められる
ようになる事が大事です。

罪悪感の悪循環から抜けるために

いったん悪循環にはまってしまうと逃げられず、そのまま転げ落ちていくしかないような気がするかもしれません。すると、そのせいでさらに大きな失敗を招いてしまい、そのためにますますみじめになって、 またしても 自分を責め、あげくの果てに、 またしても 誘惑に負けてしまいます。しかし、そうやって気晴らしにやっていることはただ罪悪感を生むばかりで、悪循環を断ち切る力はないのです。

意志力を鍛える為に自分に厳しく当たるとうつ状態の悪循環に陥るので逆効果です。
失敗した時には自分を優しく励ます事が意志力の為には有効です。
まやかしの報酬や「今度こそ変わってみせる」という虚しい約束に意味はなく
自分に関係のないストレス源から自分を守り失敗したら自分を許す事が大事です。

誘惑に対抗するには

脳を落ち着かせて賢明な判断をさせるためには、どんな誘惑に対しても必ず 10 分間は辛抱して待つようにします。もし、 10 分経ってもまだ欲しければ、手に入れてもよいでしょう。  しかし 10 分待っているあいだに、誘惑に打ち勝ったあかつきに待っている長期的な報酬を思い描いてください。できれば、誘惑になるものとは物理的に距離を置きましょう(あるいは、見ないようにします)。

誘惑は報酬を期待する気持ちを呼び覚まします。誘惑から距離をおく事を意識する必要があります。
誘惑が常時存在するならそれに日付を記入してその日に誘惑に乗るという手法もあります。
10分数える間、場所や気分を強制的に変えられるように散歩や瞑想も有効でしょう。


甘い見通し

私たちは未来の自分のことをまるで別人のようにとらえています。すっかり理想化してしまい、いまの自分の手には負えないことでも、未来の自分ならできるはずだと高をくくります。

先延ばしの根本原因がここにあります。私達は往々にして未来に期待しすぎています。
現在の延長線上にしか未来は存在しない事をつい忘れてしまいます。
これを避けるには自分で毎日の最低ラインを決めて行動を繰り返すしかありません。
努力こそ正に”塵も積もれば山となる”ものです。
それでも行動に移せないならまず、「これなら絶対守れる最低ライン」を見極める事です。

意志力は感染する

私たちの脳は、驚くほど他の人たちの目標や、信念や、行動を、自分自身の決定に取り込んでいます。他の人たちと行動を共にしたり、あるいはその人たちのことを考えたりしただけで、その人たちは私たちの心のなかで「もうひとりの自分」と化し、自己コントロールに影響を及ぼします。その逆もしかりで、私たち自身の行動も、無数の人びとの行動に影響を及ぼします。自分の行なった選択が、他の人たちにとってよい刺激となったり、あるいは誘惑になったりするのです。

私達が「自分」だと思っているものには自分が大事だと思っている人も含まれています。
彼らに恥ずかしい所を見られたくないという気持ちがプライドを持たせてくれます。
大切な人々と行動を共にしたり、彼らのことを考えるだけでもその人達は
私達の心のなかで「もう一人の自分」となり自己コントロールに影響を及ぼします。

私達一人ひとりの行動も周りに良い影響や誘惑をもたらします。
”類は友を呼ぶ”と言われる通り、誰と付き合い、誰と付き合わないかが重要になってきます。

禁止は逆効果

思考や感情をコントロールしようとするのは、多くの人の期待に反して逆効果をもたらします。けれども、私たちの多くはそれに気づこうとせず、失敗してもなおまちがった方法にしがみつきます。望ましくない考えや感情を頭から追い払おうとしてますますムキになりますが、そんなふうにして自分の心を危険から守ろうとしてもムダなのです。  ほんとうに心の平安を望み、自己コントロールを向上させたいなら、頭に浮かんでくる考えをコントロールすることは不可能だという事実を受け入れる必要があります。私たちにできるのは、自分が何を信じ、何に従って行動するかを選択することです。

「~してはいけない」と言われると「~」がどうしても思い浮かんでしまいます。
人間の脳の構造上、脳は否定形を理解できないからです。
忌むべきものを想像してしまった時にそれを心から追い出そうと躍起になるとむしろ悪化します。
浮かんでしまう考えをコントロールしようとせずにただ受け入れるようにする。
それができるようになってくると妄執に囚われずに済みます。

頭に浮かんでしまう忌むべき考えと実際に移す行動は一致させなくても良いという事を
知っておけば必要以上に怯える必要もなくなります。
誰かに依頼する時禁止系は下策だという事でもあります。

ケリー・マクゴニガル 大和書房 (2012/10/18)

愛と情熱を感謝とともに 松本服朗(@hinamori_mao)